終りの音楽

永遠に続く 永遠に終わらない いつか終わる
絵画は平面 もしくは平面に近いものに固定され 永遠にそこにあって いつか終わる
過去は どこに固定されているのか 永遠に保存されて いつか終わる
不滅は いつか死に絶える

ある時 例えば髪の毛を洗った後 タオルで頭を無茶苦茶にしている最中に すべての疑問が一つの問いに集約されて その問題が解けた と確信することがある。しかし、自分の人生がそこで終わってしまうことに対する抵抗と怠惰を覚えて やがてすべてを忘れてしまう。

起きながらに夢を見ることがあるかといえば そんなことはしょっちゅうある。目を開きながら見る夢の中でひらめいた良い考えを そのまま発話して目の前の人に伝えようとすると とんでもないことになる。そのような言葉 人に知られずに消えてゆく言葉を 今は書き綴っておきたいと思った。

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牧神とブーレーズ

「管理された偶然性」とはなんであったのか。
ピエール・ブーレーズは「マルトー」を書いた後、ジョン・ケージとの関係を清算するように、その出会いのきっかけとなったものの、すでに長く離れていた古典の形式に立ち戻って、ピアノソナタ 第3番に着手し、1956年、それは完成されないままにされ、ブーレーズは口を開いた。

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