消え去らない熱風

1845年に書かれたメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 第2番 作品66の冒頭は、ピアニッシモではじまる。
これが、メンデルゾーンがスコットランドで触れた”オシアン”の空気を表現しているのだ・・といわれても、いまいちピンとこないのはおそらく自分がこの作品を実演で聴いたことがないからかもしれない。

そもそも”オシアン”とは… ?

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シューマンとブラームス 灰になったもの、あとに残されたもの

ロベルト・シューマンの最晩年の室内楽作品
1851年に書かれたヴァイオリンソナタ 第1番と第2番という2つの作品と、1853年に書かれたヴァイオリンソナタ 第3番との間には決定的な違いがある。
その原因は、言わずと知れたことだが、ブラームスとの邂逅がこの間に発生したことである。

すでに1850年にブラームスはシューマンに作品をみてもらおうとして失敗したらしいが、まだ最初のピアノソナタさえも作曲していなかったブラームスが何をシューマンに送りつけて、未開封で戻ってきたのかは不明だ。

1853年9月30日、ブラームスはヨアヒムの紹介状を持ってシューマンを訪れ、シューマンはようやく事の次第に気が付き、 “シューマンとブラームス 灰になったもの、あとに残されたもの” の続きを読む