日本初演のお話:ツェムリンスキー 弦楽四重奏曲 第2番

ツェムリンスキーの弦楽四重奏曲 第2番が日本で演奏されたという記録が見つからない、少なくともこの10年の間は…と書いたところ、さっそく情報を寄せてくださった方がいた。

1999年、伝説のハレー・ストリング・クァルテットによるカザルスホールでの演奏会。

 

貴重な情報をくださったK様、ありがとうございます!

そして、昨日の演奏会の終演後、客席にいらしたお客様から、「一度、2011年にフェニックスホールで聴きました」とまた情報が寄せられた。 “日本初演のお話:ツェムリンスキー 弦楽四重奏曲 第2番” の続きを読む

ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲 第2番

なぜこのような作品が誕生したのか。
この長大な作品を何度も繰り返し聴きながら考えていた。

この作品に関しても、作曲家ツェムリンスキーに関しても、読むことの出来る情報は驚くほど少ない。
シェーンベルクが「いずれ、おそらく私が考えるよりも早く、彼の時代が来る」と書いたように、ツェムリンスキーのリバイバルを目論んだ動きはこれまでにもあったらしい。
まずは生誕100年である1971年以降のこと。1960年代から沸き起こったマーラー・リバイバルの勢いが「彼の友人であるツェムリンスキー」にも波及した形で楽譜が出版され、 “ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲 第2番” の続きを読む