1875年5月、ジュゼッペ・ヴェルディは歌劇「アイーダ」を指揮するためにウィーンの宮廷歌劇場にいた。その時、オーケストラで第2ヴァイオリンを弾いていたアルトゥル・ニキシュはヴェルディの指揮から強烈な印象を受け、ヴェルディからの指示を細かに書き記していた。のちに陶酔的な身振りでオーケストラと観客を魅了する新しいタイプの指揮者としてデビューしたニキシュの根底にあったのが、ヴェルディから受けた多大なる影響なのだということであった。
ヴェルディとはどのような人間であったのか。それは知らない。
ブラームスは話題がヴェルディに及ぶと、 “新しい道への音楽” の続きを読む