カフェ・モンタージュのシリーズ『シューマンを待ちながら』は「第一期」と設定していたピアノ三重奏曲、ピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲の3公演を終え、これから始まる「第二期」ではシューマンのデュオから弦楽四重奏まで、シューマン周辺の作曲家の作品を交えたプログラムを予定しています。そこでこちらからひとつの提案を致しました。
「アンサンブルの名前をつけませんか?」
室内楽作品を通して、ロベルト・シューマンの到来を待ち望む本シリーズ。
その終了まで「第一期」のメンバーに引き続き演奏をお願いしたいということと、このあとシリーズが終了してしまった後も、この稀有なメンバーによるアンサンブルを引き続き聴かせていただくことが出来れば…という願いからのことでした。
「わかりました。では、名前はカフェ・モンタージュの方で考えてください!」
メンバーの皆様がそう言ってくださったので、カフェ・モンタージュ一同、懸命に考えました。こうした名前を考えるのは「カフェ・モンタージュ」以来、つまり10年振りの事です。
メルセデス・アンサンブル
“Mercedes” というのは”Maria de las Mercedes”(慈悲のマリア)を略した固有名詞で、特にスペインでは王女の名前として知られるほか、ビゼーの歌劇「カルメン」の役名としても登場していて、いまでも欧州では一般的な女性の名前として使用されています。
英語ではそのまま”Mercy”と書くのですが、ピーター・ガブリエルが詩人アン・セクストンの詩に触発されて1986年に書いた”Mercy Street”という歌があって、その中で
Dreaming Mercy Street
Where you’re inside out
Looking for Mercy Street
Mercy, Mercy, mercy…
マーシー通りを夢見ている
君はそこでは裏返し(外見ではなく内面)である
マーシー通りを探している
マーシー、マーシー、慈悲を、
と歌われていたのが印象的だったこと。
Mercyがフランス語では”Merci”「ありがとう」であること。
常に宗教画の題材としてあり続けたマリアの中でも、羽織りマントの中に数多くの人を匿う「慈悲のマリア」の姿に、集まった人たちを「音楽」で包み込むこのアンサンブルへの期待を重ねたいと思ったこと。
アンサンブルは以下の5名をコアメンバーとして、デュオから五重奏、将来的にはもっと大きな規模の室内楽公演の実現も目指したいとしています。
ヴァイオリン:上里はな子
ヴァイオリン:ビルマン聡平
ヴィオラ:坂口弦太郎
チェロ:江口心一
ピアノ:島田彩乃
そして…
メルセデス・アンサンブルとしての第1回公演を開催することが急遽決定いたしました!
2022年5月21日(土) 20:00開演
「シューマンを待ちながら」
Mercedes Ensemble
ヴァイオリン:上里はな子
チェロ:江口心一
ピアノ:島田彩乃
公演詳細はこちら。皆様のご来場をお待ちしております!
https://www.cafe-montage.com/prg2/220521.html