「管理された偶然性」とはなんであったのか。
ピエール・ブーレーズは「マルトー」を書いた後、ジョン・ケージとの関係を清算するように、その出会いのきっかけとなったものの、すでに長く離れていた古典の形式に立ち戻って、ピアノソナタ
第3番に着手し、1956年、それは完成されないままにされ、ブーレーズは口を開いた。
…マラルメはアポリネールと続くシュールレアリスムに、セザンヌはキュビズムに、ドビュッシーの「牧神」のフルートはストラヴィンスキーの「祭典」のファゴットに取って代わられ、「ペレアス」はウィーンに亡命した…
…マラルメの「骰子一擲」、セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」そしてドビュッシーの「遊戯」が単純な分析のいかなるプリズムにおいても屈折せず、その外にいるものであり、彼らは変革を打ち立てるにとどまらず、変革を「夢見る」ことを教えてくれる…
(P.ブーレーズ : La corruption dans les encensoirs 1956 より )
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2018年12月8日(土) 20:00開演
「牧神とブーレーズ」 – Faun and Boulez
フルート:瀬尾和紀
ピアノ:菊地裕介
ヴィオラ: 小峰航一