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2025年4月29日(火・祝) 17:00開演

佐藤卓史

お話とピアノ演奏



入場料金:2000円



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〔会場〕
カフェ・モンタージュ ≫ 地図
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
TEL:075-744-1070


佐藤卓史さんによるシューベルト語り尽しの会。
今回のテーマは「終わりのないソナタたち」。


様々に時代もスタイルも違う音楽に必ずひとつある共通点、それはどの音楽もいつかは「終わる」ということです。
終わらないものは音楽ではない、にもかかわらず「終わらない音楽」を書き続けた人の代表がシューベルトだといえるでしょうか。
終わっていないものを「終わっている」ようにする、つまりそれを音楽にするにはなんらかの力が加わる必要があります。その力の一つが想像力ではないかと思っています。

シューベルトが1825年に書き始め、冒頭からもはや後期ロマン派の表情がのぞく全4楽章の力作ながら、第3楽章以降は未完成となっているピアノソナタ、通称『レリーク』は1839年にロベルト・シューマンによってなぜか「シューベルトの最後の作品」と紹介されたことも相まって、数ある未完成作品のなかでも特別な位置に置かれてきました。
幻視をもたらすようなその独特の雰囲気が後世に与えた影響の大きさなど、天才シューベルトの魅力を解き明かす上で絶好の作品ともいえる『レリーク』をはじめ、シューベルトの数々の未完作品を補筆し続けている佐藤卓史さんの視点から、「音楽」としてこれらの作品の触れる楽しみについて解き明かすマニアの集会を開催いたします。

終演後には恒例の「プンシュの会」も開催予定。皆様、是非ご参加ください!


【解説曲】
F.シューベルト:ピアノソナタ
第2番 ハ長調 D279
第11番 ハ長調 D613+D612
第15番 ハ長調 D840「レリーク」
より、一部抜粋演奏を交えながらのお話


終わりのないソナタたち

シューベルトが着手したピアノ・ソナタは24曲にのぼるといわれていますが、そのうち完成したのはわずか11曲。いかに未完成の多いシューベルトとはいえ、これほど完成率の低いジャンルは他にありません。

「終わりのないソナタ」たちについて、私はずっと考えてきました。完成作と比較しても、必ずしも音楽的に劣るわけでもなく、むしろ唯一無二の魅力を放つ音楽ばかりです。ただ何らかの偶然で、最後まで書き上げられる機会を持てなかったのでしょうか。

私はこうした未完成の作品を「完成」させ、演奏する試みを続けてきました。その中でわかってきた、シューベルトの「未完成」状態のいくつかのタイプと、それらを補筆する際の方法について、3曲の未完「ハ長調」ソナタを中心にお話しさせていただきたいと思います。まだソナタを完成させたことがない初期のD279、ある種の迷路にはまったような中期のD613、最後の未完成ソナタとなった後期のD840(レリーク)、それぞれに終わりのないまま開かれた理由も、「終わりを与える」方法も異なるものでした。

― 佐藤卓史