MONTAGE+
「戦慄のコルンゴルト」
2025年2月28日(金) 20:00開演
【内容】
"神童コルンゴルトの最初の作品"
E.コルンゴルト:(1897 - 1957)
ピアノ三重奏曲 ニ長調 op.1 (1910)
Allegro non troppo,con espressione
Scherzo. Allegro
Larghetto
Finale
アナウンサー「いまお聴きいただいたのは … ルト、のピアノ三重奏曲。ボザール・トリオの演奏でした。」
ゲスト「いやあ、まだ13歳の少年が書いた作品なんて信じられまs、、」
「13歳??」
まだカフェ・モンタージュを始めるずっと前の事、車の中でラジオを聴いていた私は自分の耳を疑いました。極限の状態に達したロマンが延々続き、もう世界は絶えられずに終わってしまうのではないかとさえ感じて「誰の作品だろう…?」と車をとめた時の事でした。
それがエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルトが13歳の時に書いた「作品1」のピアノ三重奏曲との出会いでした。
「前世の記憶」という概念は、まさに神童コルンゴルトの作品を聴くような時に必要とされるものではないでしょうか。
いったいどうすれば子供にこのような作品が書くことが出来るのか。これは誰か他の人(大人)が書いたに違いない。かつてブルックナーに学び、いまやハンスリックを継いでウィーンの音楽批評の最前線にいた父、ユリウス・コルンゴルトがまずは疑われたそうです。マーラーやシュトラウスがその眼と耳で実力を確認し、あのイザイが激賞したウィーンフィルのコンサートマスターであるアルノルト・ロゼ、同じくウィーンフィルの首席チェロのフリードリヒ・ブックスバウム、そして指揮者のブルーノ・ワルターがピアノを担当して、1910年4月、まだ13歳のコルンゴルトのピアノ三重奏曲が初演され、作品1として出版されたのでした。
良識ある大人たちがびっくりしないように、穏やかな謎かけのように始まるこの作品が、今でも多くの人を驚愕の渦の中に巻き込むのは仕方のないことだと思います。音楽において調性を意識するようになるのさえ、13歳では早すぎます。しかし、ニ長調で書かれたこの作品を通して私たちは、調性が引き起こす謎の奥深くまで分け入り、前人未到の難所を無双したあと、平気な顔をしてこちらに帰ってくる13歳の少年に出会うことになるのです。
音楽における天才を語る時に、避けては通れないと思われる大作。
これまでにカフェ・モンタージュでベートーヴェンとモーツァルトの素晴らしい演奏を聴かせてくださった、京都市立芸術大学のトリオメンバーによる演奏でお聴きいただきます。皆様、ぜひお集まりください!
― カフェ・モンタージュ 高田伸也