「ブラームスの室内楽」
2025年2月13日(木)&14日(金) 20:00開演
【プログラム】
J.ブラームス:
・ピアノ三重奏曲 第2番 ハ長調 op.87 (1882)
・ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 op.101 (1886)
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〈次回予告〉25.3.5&6
2025年2月13日(木)&14日(金) 20:00開演
メルセデス・アンサンブルによるブラームスの室内楽シリーズ。今回は円熟期の作品をお届けいたします。
ブラームスは、管弦楽作品を何か書き終えてから室内楽作品の作曲に取り掛かることが多かったことから、管弦楽作品のために用意しながらそれらには使用しなかった素材を利用していたのではないかと言われることがありますが、詳細は不明です。
第1番 op.8 (1853) からもうすぐ30年が経つという時期、ピアノ三重奏曲 第2番 op.87はヴァイオリン協奏曲op.77、2つの管弦楽序曲op.81&82そしてピアノ協奏曲 第2番 op.83に引き続いて1882年に作曲されました。
ここで明らかになるのは、ピアノ協奏曲において同じ変ロ長調であるモーツァルトの協奏曲K.595の特にフィナーレを参考にしていた形跡があるように、このピアノ三重奏曲ではおそらくモーツァルトの同じハ長調の三重奏曲K.548を参照していたのではないかという事です。
ブラームスの室内楽作品の中でもその明晰さにおいて抜きんでた存在であるこの第2番。第3楽章の峻厳なスケルツォに挟まれた、希望に満ち溢れた中間部はブラームスの全作品の中でも白眉と言って過言ではない美しさであると個人的に思っています。
そして、最後の交響曲 op.98が完成したすぐ後に第2番と正反対のハ短調で書かれた第3番op.101は、のちにシェーンベルクが『革新主義者ブラームス』として論じたような、20世紀以降の音楽に通じる前衛的な側面が印象的な力作となっています。
一見シンプルな楽想が複雑に絡み合い、それに伴ってリズムと和声が自在に生成されていき、あたかも自立した生き物のように振舞う革新的な作品。この作品を書いたとされる1886年のトゥーン湖畔滞在の最中にフランツ・リストがこの世を去りました(1886.7.31)。このあとブラームスの制作は次第に回顧的な形式をとるようになって行きます。
対称的であり、最もドラマチックな第2番と第3番のピアノ三重奏曲をメルセデス・アンサンブルの演奏で聴く貴重な2日間。どちらの日も同じプログラムですので、いずれかご都合の良い日に是非聴きにいらしてください!
― カフェ・モンタージュ 高田伸也
ライブ音声配信
・最高峰の機材を使用した高音質配信です
・公演から1週間後までアーカイブ視聴可
*映像はございません
料金:1000円