今年はどのような1年であったかと一言でまとめることは難しいですが、カフェ・モンタージュにとっては作曲家フォーレの没後100年ということがキーワードの一つとしてずっとあったと思っています。
まだどちらに進めばいいのか、この場所になにを期待すればよいのかとも知らなかった時期のカフェ・モンタージュで、室内楽の愉しみを教えてくれたのがフォーレの作品でした。特に晩年の作品に触れて以降、音楽がその場だけのものではなく、遠く過去に遡ると同時にまだ来ていない未来にこれから向かうのだという期待とともにあることを意識するようになりました。
そんな今年の最後の公演、フォーレが最晩年になって初めて取り組んだジャンルであると同時に、ピアノのために書いた最後の作品であるピアノ三重奏曲を、皆様と一緒に聴かせていただけることとなり、大変嬉しく思っています。
神戸ピアノ三重奏団は2年ぶりのご出演。前回は密度の濃い圧倒的なシューベルトとシューマンを聴かせていただきましたが、今回はドビュッシーとフォーレの唯一のピアノ三重奏曲、そしてメンデルスゾーンの不朽の名作という大変楽しみなプログラムです。
本年の締めくくり公演、土曜日18時の開演となります。皆様のご来場をこころよりお待ちしております!
― カフェ・モンタージュ 高田伸也