時代は16世紀末、ウィンザーの聖ジョージ教会の歌手・書記官であったボールドウィン自身が編纂した、一般に『ボールドウィン写本』と呼ばれる曲集があります。
ここには200ほどの曲が収められていますが、その中にはリズムが字余り字足らずな曲、絶対に音符の数が合わない曲、演奏不可能と思われるようなプロポーションとリズムの作品など、そのままでは解読難解な曲が多数含まれています。
大変興味深いそれらの作品に光をあてたい!と思いまして、これまでの5年ほどをかけてひとつひとつ紐解いてきました。
愛好家の皆さんにはすでにお馴染みの楽曲から、私たちが解読した秘曲まで幅広く取り上げ、楽譜の解説や解読にまつわるエピソードなどを交えつつ、繊細で摩訶不思議、難解でありながらも詩情溢れる音楽をお届けしたいと思っております。
― 矢板由希子
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このたび、カフェ・モンタージュでお届けするのはあの『ボールドウィン写本』"Baldwin Commonplace Book" です。その極限的なリズムへの探究は古楽のみならず現代音楽ファンにも訴求力がある、大変興味深いレパートリーです。
今回は来場者特典として【出版されていない演奏曲の楽譜を一曲】のプレゼントもご用意しています。皆様、是非会場にお運び頂けますと幸いです。
― 菅沼起一