バロック・ヴァイオリン&ヴィオラ・ダモーレ:阿部千春
バロック・リュート:蓮見岳人
G.テレマン:
ヴァイオリンと通奏低音のためのソロ ト長調 TWV 41:G8
J.H.ルーマン:
無伴奏ヴァイオリンのためのエッセイ ハ短調 BeRI310
D.ケルナー:
リュートのためのファンタジア イ短調
作者不詳:
グローベ氏による、ヴィオラ・ダモーレと通奏低音のためのパルティア ハ短調
J.H.ルーマン:
フルートまたはヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調 BeRI211
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《テレマンと北ヨーロッパ 》 - 阿部千春
バロック時代後期にヨーロッパ中に名声を博していたゲオルク・フィリップ・テレマン(1678-1767) は、1721年に40歳で北ドイツのハンザ自由都市ハンブルクでの活動を開始します。
親族を通して、またハンザ都市間の物流、人材、文化の交流を通して、スカンジナヴィアとの繋がりがあった彼は、1727 年にストックホルムのスウェーデン宮廷楽長ヨハン・ヘルミク・ルーマン (1694-1758) のフルートのためのソナタ集出版をドイツでプロデュースしました。
ルーマンはスウェーデンにおける音楽の父と呼ばれており、テレマン同様、伝統を重んじながら最新スタイルも積極的に追い、地元の民族音楽も取り入れた作品を生み出していきます。
精力的な活動を続け、スウェーデンの音楽文化を飛躍的に発展させました。
大航海時代を経て経済的・政治的な力を蓄えていった市民階級は、17、18 世紀に入ると王侯貴族の嗜みだった音楽に積極的に参加するようになります。そういった音楽愛好家に向けて親しみやすい作品が次々に生み出され、楽譜出版業がその音楽の流通を担うようになります。
またこの時代、音楽愛好家たちは競って珍しい楽器、例えばヴィオラ・ダモーレやバリトンといった共鳴弦をもった楽器を追い求めるようになります。
共鳴弦を持った民族楽器、ハーディングフェーレがノルウェーで使われるようになったのもこの時代です。
上流社会の楽器であったリュートが学生の間で好まれ、通奏低音による伴奏のための一般向けの教則本が巷に出回るようになり、18世紀後半以降のサロン音楽文化へと繋がっていきます。
バロック時代後期の階級間の距離が縮まる中で営まれた音楽を通して、活力あふれる当時の風景を再現してみようと思います。
〔開演時間〕 19:30
〔開場時間〕 開演時間の30分前
〔入場料金〕 3000円(40名・自由席)
〔会場〕 カフェ・モンタージュ ≫地図
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
TEL:075-744-1070
〔予約受付〕2023年9月30日 午前0時より予約フォームにて受付開始