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「フィガロハウスのモーツァルト」

2024年8月28日(水) 20:00開演

生駒由奈

ピアノ

藤原京香

ピアノ

清野優芽

ピアノ

小柴三和

ヴァイオリン

西浦日菜

チェロ

嶋田愛子

ピアノ


至高のモーツァルトを聴く


「フィガロの結婚」の大成功のあと、モーツァルトの消息はしばし不明となり、その短い期間に書かれたとは信じがたい傑作ばかりがそのあとに残されました。
絶頂期にあったモーツァルトによる知られざる作品、京都市芸術大学の皆さんと辿る全4公演です。


入場料金:2000円



予約する

〔会場〕
カフェ・モンタージュ ≫ 地図
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
TEL:075-744-1070


【内容】


第3回「鏡のなかのモーツァルト」

W.A.モーツァルト:
・4手の為のピアノソナタ ヘ長調 K.497
藤原京香 piano
生駒由奈 piano

・12の変奏曲 変ロ長調 K.500
清野優芽 piano

・ピアノ三重奏曲 変ロ長調 K.502
小柴三和 violin
西浦日菜 cello
嶋田愛子 piano





「父と、過去の自分とともに」

突然ですが、ここにニ長調のフルート四重奏曲 K.285があります。
自筆譜集には「1777年12月」とモーツァルトの筆で書き込みがあり、この事からこの作品はモーツァルトがザルツブルグの父の元を離れて、パリに向かう途中で書かれたものとされています。モーツァルトは1787年5月28日に父レオポルトがこの世を去る直前に、「フィガロハウス」でこのフルート四重奏曲と10年ぶりに向き合っていたということが、その時期に書かれたト短調の弦楽五重奏曲 K.516の中に息づいている楽想によって示されています。
その前年1786年にそれと同じことが行われているのが、今回演奏される4手のためのヘ長調のピアノソナタ K.497です。
この作品の中に息づくのはニ長調のピアノソナタ K.311。この作品はフルート四重奏曲 K.285と同じくパリへの道中において、同じ自筆譜集の中にモーツァルトの手で書きこまれたものです。若き日の作品と向き合った末に完成した弦楽五重奏曲の比類のない内容はつとに有名なところですが、この4手の為のピアノソナタもまったく驚くべき境地に達している作品で、このジャンルの最高峰と言われています。モーツァルトがひとりで「フィガロハウス」に籠って向き合っていたもの、そこには過去の自分も含まれていました。その時に生まれた過去に例を見ない創造物の象徴のようなこの感動的なソナタの存在は、今回のシリーズのハイライトのひとつともなっています。
同時期に書かれたピアノのための変奏曲 K.500、そしてピアノ三重奏というジャンルのひとつの完成をみたK.502と共に「フィガロハウス」で自在の域にあったモーツァルトの神髄を体験していただきます。

― カフェ・モンタージュ 高田伸也